ミネソタ・ツインズの歴史と主な所属選手

 

ミネソタ・ツインズは、1901年にアメリカンリーグの創設と同時に、ワシントンD.C.を本拠地とするワシントン・セネタースとしてスタートしました。

当初は下位に低迷する時期が続きましたが、1924年にバッキー・ハリス監督のもとでワールドシリーズ初優勝を果たしました。

この優勝はセネタース時代唯一のワールドチャンピオンです。

その後も1925年と1933年にリーグ優勝を達成しましたが、観客動員の低迷が続き、1960年にオーナーのカルヴィン・グリフィスが本拠地移転を決断します。

1961年、ミネソタ州ミネアポリスに移転し、ミネソタ・ツインズに改称しました。

チーム名の「ツインズ」は、ミネアポリスと隣接するセントポールが「ツイン・シティーズ」と呼ばれることに由来しています。

ミネソタ移転後の躍進

ミネソタに移転した初年度からチームは活気を取り戻し、1965年には球団記録となる102勝を挙げてリーグ優勝を果たしました。

 

 

ワールドシリーズではロサンゼルス・ドジャースに3勝4敗で惜敗しましたが、ハーモン・キルブルー選手やトニー・オリバ選手の活躍で注目を集めました。

1969年と1970年には新設されたアメリカンリーグ西地区で連続地区優勝を達成しましたが、ポストシーズンでの成功にはつながりませんでした。

1970年代は低迷期が続き、観客動員も減少しましたが、1982年にメトロポリタン・スタジアムから新設のメトロドームに移転し、環境が一新されました。

1987年と1991年のワールドシリーズ制覇

ツインズの黄金期は1980年代後半から1990年代初頭に訪れました。

1987年、カービー・パケット選手やケント・ハーベック選手を擁するチームは、シーズン85勝という当時最少勝利数でワールドシリーズを制覇しました。

 

 

セントルイス・カージナルスを4勝3敗で破り、ミネソタ移転後初の栄冠を手に入れました。

1988年には球団史上最多の3,030,672人の観客を動員しました。

1991年には、前年最下位からの劇的な躍進で再びワールドシリーズ優勝を果たします。

MLB史上初の「最下位からワールドチャンピオン」を達成し、アトランタ・ブレーブスとの7試合の激戦は歴史的な名勝負として語り継がれています。

 

 

2000年代の復活とポストシーズンの苦闘

1990年代後半、ツインズは再び低迷し、2001年には球団削減の危機に直面しました。

しかし、地元ファンの熱意と新球場(ターゲット・フィールド)建設の決定により存続が決まりました。

2002年から2004年にかけて、ヨハン・サンタナ選手やトーリ・ハンター選手の活躍で地区3連覇を達成しました。

2000年代は地区優勝9回、ワイルドカード1回と安定した成績を残しましたが、ポストシーズンでは2002年以降、チャンピオンシップシリーズ進出がありません。

2004年から2022年までポストシーズン18連敗という記録を保持していましたが、2023年のワイルドカードシリーズでトロント・ブルージェイズに勝利し、ようやく連敗を止めました。

ターゲット・フィールド時代と現在

2010年、ツインズはメトロドームから屋外球場のターゲット・フィールドに移転しました。

天然芝の美しい球場は、2014年のMLBオールスターゲーム開催地にも選ばれ、ファンに愛されています。

近年では、2019年に101勝を挙げて地区優勝を果たすなど、バイロン・バクストン選手やホルヘ・ポランコ選手がチームを牽引しました。

しかし、ポストシーズンの壁は厚く、2024年もプレーオフ進出はなりませんでした。

2024年10月には球団売却が発表され、最高3000億ドルとされる取引が注目されています。

主な所属選手

ハーモン・キルブルー(1954-1974)

通算573本塁打を誇るスラッガーで、1969年にMVPを受賞しました。

ツインズの永久欠番「3」です。

ロッド・カルー(1964-1978)

7度の首位打者、通算3053安打を記録した殿堂入り選手です。

永久欠番「29」です。

トニー・オリバ(1962-1976)

3度の首位打者で、1965年のワールドシリーズで活躍しました。

永久欠番「6」です。

カービー・パケット(1984-1995)

1987年と1991年のワールドシリーズ制覇の立役者です。

通算2304安打、首位打者1回。

永久欠番「34」です。

ケント・ハーベック(1981-1994)

1987年のワールドシリーズで活躍した一塁手です。

通算293本塁打。永久欠番「14」です。

ヨハン・サンタナ(2000-2007)

2004年と2006年のサイ・ヤング賞受賞投手です。

2000年代のエースでした。

 

 

ジョー・マウアー(2004-2018)

2009年MVP、3度の首位打者。

キャッチャーとして殿堂入りしました。

 

 

トーリ・ハンター(1997-2007、2015)

ゴールドグラブ賞9回受賞の外野手です。

2002年の地区優勝に貢献しました。

 

 

前田健太(2020-2023)

日本人投手として活躍しました。

2023年は6勝8敗、防御率4.23でした。

 

 

文化的影響とトリビア

1998年、ツインズを敵役としたコメディ映画「メジャーリーグ3」が公開されました。

架空のマイナーチームがツインズを破るストーリーで、石橋貴明さんが出演しました。

 

 

また、チームロゴの「ミニーとポール」は、ミネアポリスとセントポールの団結を象徴し、ユニフォームに採用されています。

まとめ

ミネソタ・ツインズは、ワシントン時代から数えて120年以上の歴史を持ち、3度のワールドシリーズ制覇を誇ります。

観客動員の課題やポストシーズンの苦戦を乗り越えながら、ハーモン・キルブルー選手からジョー・マウアー選手まで、数々の名選手がチームを彩ってきました。

ターゲット・フィールドを本拠地に、今後もツイン・シティーズの誇りとして戦い続けます。

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