メジャーリーグベースボール(MLB)では、毎年新たな才能が現れ、チームに活気と希望をもたらします。
その中でも、シンシナティ・レッズのショートストップ、エリー・デラクルーズは、驚異的なスピードとパワーで注目を集める若手選手です。
ドミニカ共和国出身の彼は、短期間でマイナーリーグからメジャーリーグへと駆け上がり、2024年にはオールスターゲームに選出されるなど、将来のスターとしての地位を確立しつつあります。
この記事では、デラクルーズのキャリアの軌跡と、彼を際立たせるプレイスタイルについて詳しくお伝えします。
キャリアの始まり:ドミニカ共和国からレッズへ
エリー・デラクルーズは2002年1月11日にドミニカ共和国のサバナ・グランデ・デ・ボヤで生まれました。
8人の兄姉を持つ大家族の中で育ち、幼少期から野球に親しんでいました。
ドミニカ共和国は、数多くの名選手を輩出してきた野球大国であり、デラクルーズもその伝統を受け継ぐ一人です。
彼の才能は早くから注目され、2018年7月2日、16歳の時にシンシナティ・レッズと国際フリーエージェントとして契約しました。
契約金はわずか6万5000ドルと控えめでしたが、これが彼のプロ野球人生の第一歩となりました。
プロデビューは2019年、ドミニカン・サマーリーグのレッズ傘下で果たします。
この年、彼は43試合に出場し、打率.285、出塁率.351、長打率.382を記録。1本塁打と3盗塁をマークしましたが、盗塁失敗が6回と、スピードを活かしきれていない面もありました。
2020年はCOVID-19パンデミックによりマイナーリーグが中止となり、出場機会はありませんでしたが、彼はこの時間をトレーニングに費やし、体力と技術の向上に努めました。
2021年、ルーキーリーグのアリゾナ・コンプレックスリーグで再び才能が開花します。
打率.403、8本塁打、OPS1.235と圧倒的な成績を残し、リーグ最高の選手として評価されました。
この活躍を受け、2022年はハイA級デイトン・ドラゴンズとダブルA級チャタヌーガ・ルックアウツでプレー。
121試合で打率.304、28本塁打、47盗塁を記録し、ジョージ・スプリンガー以来となるマイナーでの「打率.300、25本塁打、40盗塁」を達成しました。
この年、彼はオールスターフューチャーズゲームに選ばれ、レッズのマイナーリーグ年間最優秀選手にも輝きました。
MLBへの飛躍と記録的な活躍
2023年、デラクルーズはトリプルA級ルイビル・バッツでシーズンを開始します。
38試合で打率.298、12本塁打、11盗塁を記録し、6月6日に待望のメジャーリーグ昇格を果たしました。
デビュー戦はロサンゼス・ドジャース戦で、初安打を放ち、翌7日には458フィート(約140メートル)の初本塁打を記録。
6月23日のアトランタ・ブレーブス戦では、サイクルヒット(単打、二塁打、三塁打、本塁打)を達成し、1972年のセサール・セデーニョ以来最年少での快挙となりました。
初年度の2023年は98試合で打率.235、13本塁打、35盗塁を記録し、レッズの新人盗塁記録を更新。2024年はさらに飛躍し、160試合で打率.259、25本塁打、67盗塁をマーク。
盗塁数はリーグトップで、20本塁打60盗塁を達成した史上5人目の選手となりました。
この年、彼はオールスターゲームに選出され、MLBザ・ショー25の表紙選手にも抜擢されました。
2025年3月時点で、彼のキャリア通算成績は打率.250、38本塁打、102盗塁と、若手選手としての驚異的な数字を残しています。
プレイスタイル:スピードとパワーの融合
デラクルーズのプレイスタイルは、「スピード」と「パワー」の融合が最大の特徴です。
身長6フィート5インチ(約196cm)と大型ながら、驚異的な脚力を誇ります。
2023年にはスプリントスピードが毎秒30.5フィート(約558メートル/分)と、ボビー・ウィット・ジュニアと並びリーグ最速を記録。
盗塁数はメジャーデビュー以来急増し、2024年には67盗塁を成功させ、失敗はわずか16回と高い成功率を誇ります。
特に2023年7月8日の試合では、1イニングで二塁、三塁、本塁を連続盗塁する離れ業を披露し、1919年以来のレッズ選手としての記録を打ち立てました。
打撃面では、長打力が際立っています。
2024年の平均打球速度は91.8マイル(約148km/h)、バレル率(理想的な打球角度と速度の指標)は12.7%と、いずれもリーグ上位。
彼のスイングは左打席でより滑らかでパワフルですが、右打席ではコンタクト重視のスタイルを見せます。
しかし、三振率が31.7%(2024年は218三振)と高く、空振りが多い点が課題です。
それでも、彼は改善に取り組み、2025年春季キャンプでは新たな打撃フォームを披露し、さらなる進化が期待されています。
守備では、ショートストップとして卓越した能力を発揮します。
平均95.6マイル(約154km/h)の送球速度は内野手最強で、長いリーチと機敏な動きで守備範囲も広いです。
一部では三塁手としての適性も指摘されますが、彼はショートストップへの強いこだわりを持ち、レッズの未来を担う存在として成長を続けています。
影響力と今後の展望
デラクルーズはレッズに新たなエネルギーをもたらしました。
彼の昇格後、チーム成績は向上し、2023年は27勝33敗から55勝47敗へ、2024年にはさらなる躍進を見せています。
ファンからは「スーパーマン」と称され、その派手なパフォーマンスは観客を魅了します。
市場価値も高く、2025年時点で推定6000万ドルと評価され、レッズとの契約は2029年まで続きます。
今後、彼にはさらなるタイトル獲得と、国際舞台での活躍が期待されます。
特に、三振率の改善と打率の向上が課題とされ、これが克服できればMVP候補にも名を連ねる可能性があります。
レッズの若手中心のチーム構成の中で、彼はリーダーとしての役割も担い、チームの黄金時代を築く鍵となるでしょう。
最後に
エリー・デラクルーズは、ドミニカ共和国の小さな町からMLBの舞台へと駆け上がった新星です。
スピードとパワーを兼ね備えたプレイスタイルで、レッズの未来を担う存在として注目されています。
キャリアはまだ始まったばかりですが、彼の成長とともに、野球界に新たな歴史が刻まれることでしょう。
これからも彼の活躍に目が離せません。
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