近本光司選手は、阪神タイガースの中軸を担うセンターとして、また球界屈指の安打製造機として、現代プロ野球に欠かせない存在です。
淡路島から彗星のごとく現れ、社会人野球を経てプロの門を叩いた彼は、ルーキーイヤーから数々の記録を塗り替えてきました。
派手なパフォーマンスこそ少ないものの、その裏に秘められた高い野球IQと圧倒的な身体能力は、多くのファンを魅了して止みません。
本記事では、近本選手のこれまでの歩みと、彼が築き上げてきた唯一無二のキャリアについて詳しく解説します。
故郷・兵庫で育まれた才能と社会人時代
1994年、兵庫県淡路市に生まれた近本選手は、地元の社高校から関西学院大学へと進学しました。
大学時代は投手としてもマウンドに上がっていましたが、その非凡な打撃センスと脚力を活かすため、外野手へと転向します。
この決断が、後のプロ野球人生を決定づけることとなりました。
大学卒業後、大阪ガスに入社すると、彼の才能は一気に開花します。
2018年の都市対抗野球大会では、チームを史上初となる優勝へ導き、自らも首位打者賞と、大会MVPにあたる橋戸賞を受賞しました。
「社会人ナンバーワン外野手」の称号を引っ提げ、同年のドラフト会議で阪神タイガースから1位指名を受け、プロの世界へと足を踏み入れます。
衝撃のデビューと新人安打記録の更新
2019年、近本選手のプロ1年目は驚きに満ちたものでした。
開幕から一軍に定着すると、広角に打ち分けるバッティングで安打を量産。
最終的に159安打を放ち、それまで長嶋茂雄氏が保持していたセ・リーグの新人安打記録(153本)を61年ぶりに更新するという、歴史的な金字塔を打ち立てました。
さらに、その持ち前の脚力も存分に発揮されます。
1年目から36盗塁を記録し、赤星憲広氏以来となる球団新人での盗塁王を獲得。
打撃と走塁の両面で、阪神の1番打者という重責を完璧に全うしました。
この年、新人王こそ村上宗隆選手(ヤクルト)に譲ったものの、特別表彰を受けるなど、その活躍は新人離れしたものでした。
走攻守で圧倒する「近本ゾーン」の確立
プロ入り後、近本選手は毎年のように安定した成績を残し続けています。
2020年から2022年にかけても、卓越した盗塁技術を武器にタイトルを重ね、史上稀に見る「デビューから2年連続盗塁王」という快挙も成し遂げました。
彼の真骨頂は攻撃面だけではありません。
中堅手としての守備力も球界トップクラスです。
広い守備範囲を誇り、落下点へ迷いなく向かう判断力は「近本ゾーン」と称されることもあります。
ゴールデングラブ賞の常連となったその守備は、投手陣にとってこれ以上ない安心感を与えています。
また、打撃面では単にヒットを放つだけでなく、選球眼の向上や勝負強さも年々増しています。
リードオフマンとして出塁するだけでなく、時にはクリーンアップのようなポイントゲッターとしての役割も果たし、チームの勝利に直接関わる一打を放つ場面が目立つようになりました。
悲願の日本一と、円熟味を増すリーダー像
近本選手のキャリアにおいて最大のハイライトの一つが、2023年シーズンの活躍です。
岡田彰布監督のもと、チームは18年ぶりのリーグ優勝(アレ)と、38年ぶりの日本一を達成しました。
近本選手はこのシーズン、リードオフマンとしてチームを牽引し、特に日本シリーズでは圧倒的な打率を記録してMVPに輝きました。
大舞台での強さは、彼の冷静な自己分析とたゆまぬ準備の賜物です。
2024年以降も、ベテランと若手の橋渡し役を担いながら、攻守の要として君臨し続けています。
大きな怪我を乗り越え、常にグラウンドに立ち続けるタフな姿勢は、今の阪神タイガースの象徴とも言えるでしょう。
まとめ:進化を続ける至宝
近本光司という選手を語る際、単なる「俊足巧打の選手」という言葉だけでは足りません。
彼は、状況を的確に判断する頭脳と、それを体現する技術、そして勝負どころで結果を出す精神力を兼ね備えた、真のアスリートです。
今後も、彼が一本一本積み重ねる安打や、ダイヤモンドを駆け抜ける姿は、プロ野球の歴史に深く刻まれていくことでしょう。
タイガースの勝利のために、そして自身のさらなる高みのために。近本光司の挑戦は、これからも続いていきます。




















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