ロサンゼルス・ドジャースは、メジャーリーグベースボール(MLB)のナショナルリーグ西地区に所属する名門球団です。
青いユニフォームが象徴するこのチームは、140年以上の歴史を持ち、人種統合の先駆けから現代のスーパースターまで、数々の感動をファンに届けています。
2024年に8度目のワールドシリーズ制覇を果たしました。
本記事では、ドジャースの歴史を振り返り、主な所属選手を紹介します。
創設とブルックリン時代:苦難の始まり(1883年~1957年)
ドジャースのルーツは、1883年にニューヨークのブルックリン区に遡ります。
当時、チャーリー・バーンらの投資グループがプロ野球チームを設立し、ワシントン・パークを本拠地としました。
1884年にアメリカン・アソシエーションに加盟すると、ボブ・カラザーズらを擁して興行的に成功を収め、1889年にリーグ優勝を果たします。
1890年にはナショナルリーグに移籍し、再び優勝。
1899年から1900年にかけては、ハリー・フォン・デル・ホーストの経営でボルチモア・オリオールズからネッド・ハンロンやジョー・ケリーを獲得し、2年連続優勝を飾りました。
しかし、1904年から1914年までは低迷期が続きます。
1913年にエベッツ・フィールドへ移転したものの、成績は振るわず。
1914年にウィルバート・ロビンソン監督が就任すると、再建が始まります。
1916年と1920年にリーグ優勝を達成。ザック・ウィート、ジェイク・ドーバート、ジェフ・フェファー、ルーブ・マーカード、バーリー・グライムスらが活躍しました。
1920年代は再び低迷し、「Daffiness Boys」と揶揄されるほどコミカルなエピソードが目立ちました。
1941年、レオ・ドローチャー監督の就任で復活。
ラリー・マクフェイルのチーム作りにより、1947年から1956年までリーグ優勝6回、2位3回を記録します。
この時代の最大の功績は、1947年にブランチ・リッキー球団社長がジャッキー・ロビンソンを起用したことです。
彼はアフリカ系アメリカ人初のメジャーリーガーとしてデビューし、新人王を獲得。
人種差別撤廃の象徴となり、MLBの歴史を変えました。
1955年、ウォルター・オルストン監督の下でヤンキースを破り、ワールドシリーズ初優勝。
「This is Next Year!」のスローガンがファンの心を掴みました。
1956年は惜しくも敗れますが、1959年にシカゴ・ホワイトソックスを倒して2度目の栄冠を手にします。
この時期の主な選手として、ジャッキー・ロビンソンは守備と走塁で革新的なプレーを見せ、殿堂入り。
ピート・ロイカーやドゥイー・クーパーも打撃で貢献しました。
また、キャッチャーのロイ・キャンパネラは3度のMVPを獲得し、1959年の引退セレモニーでは9万3千人超の観客を集めました。
西海岸移転と黄金時代:ドジャー・スタジアムの時代
(1958年~1990年代)1957年、ニューヨーク市との新球場交渉が決裂し、ドジャースは西海岸移転を決定。
1958年にロサンゼルスへ本拠地を移し、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムでプレー開始します。
ウォーリー・ムーンの「ムーン・ショット」三塁打が話題となりました。
1962年にはドジャー・スタジアムが完成。
以降のホームとなり、1978年にMLB初の年間観客300万人を突破します。
1960年代は投手王国。サンディ・コーファックスとドン・ドライスデールの二枚看板が輝き、スモールボール戦略で勝負。
1963年と1965年にワールドシリーズ優勝。
コーファックスは4度のサイ・ヤング賞と1度のMVPを獲得し、1966年に肘の故障で引退します。
ドライスデールも6度の20勝シーズンを記録しました。
1970年代から1980年代はトミー・ラソーダ監督の時代。
1977年に就任し、情熱的な采配でチームを活性化。
1981年、フェルナンド・バレンズエラが新人投手初のサイ・ヤング賞を受賞し、ワールドシリーズでヤンキースを破ります。
バレンズエラの「フェルナンドマニア」がロサンゼルスを熱狂させました。
1988年はオーレル・ハーシュハイザーの59イニング連続無失点記録と、カーク・ギブソンの劇的なサヨナラ本塁打で、4勝0敗の完封優勝。
スティーブ・サクソンの打撃も光りました。
現代の王朝:2020年代の快進撃
2000年代はフラクチャ・オーナーシップの影響で苦戦しましたが、2010年代にグッゲンハイム・ベースボール・マネジメントが買収。
デーブ・ロバーツ監督の下、2013年からプレーオフ進出を続けます。
2020年にパンデミック短縮シーズンでワールドシリーズ優勝。
2024年にはヤンキースを破り、8度目のタイトルを獲得しました。
主な所属選手:過去と現在のレジェンド
ドジャースの選手たちは、技術と精神力でファンを魅了します。
以下に主な人物を挙げます。
過去のレジェンド
ジャッキー・ロビンソン(内野手、1947-1956)
人種統合の象徴。
打率.311、6度のオールスター。殿堂入り。
サンディ・コーファックス(投手、1955-1966)
4度のサイ・ヤング賞、1度のワールドシリーズMVP。
通算137勝、奪三振2396。
フェルナンド・バレンズエラ(投手、1980-1990)
サイ・ヤング賞、ワールドシリーズMVP。
通算173勝、メキシコ出身のアイコン。
オーレル・ハーシュハイザー(投手、1988-1994)
1988年MVP、サイ・ヤング賞。連続無失点記録保持者。
カーク・ギブソン(外野手、1988-1993)
1988年ワールドシリーズMVP。
あのサヨナラ本塁打は永遠の記憶。
現在のスター
大谷翔平(二刀流、2024-)
2024年に50本塁打・50盗塁の歴史的シーズン。
DHとして打撃を主戦場に。
フレディ・フリーマン(一塁手、2022-)
2024年ワールドシリーズMVP。
2025年オールスター。
安定した打撃でチームの柱。
ムーキー・ベッツ(外野手/遊撃手、2018-)
2018年MVP。
守備と打撃の万能選手。
2025年も主力。
ウィル・スミス(捕手、2018-)
2025年オールスター。
強肩と打撃で攻守に貢献。
山本由伸(投手、2024-)
日本人エース。2025年開幕戦で輝き、精密なコントロールが武器。
クレイトン・カーショウ(投手、2008-)
通算3,000奪三振超。
2025年に18年目復帰も、9月18日に引退発表。
ドジャース一筋のレジェンド。
テオスカー・ヘルナンデス(外野手、2024-)
パワーヒッター。
2024年優勝に貢献。
これらの選手が織りなすプレーは、ドジャースの伝統を体現します。
最後に
永遠のブルーロサンゼルス・ドジャースは、ブルックリンのトロリーからハリウッドの光へ移り、常に革新を続けてきました。
8回のワールドシリーズ優勝、24回のリーグ優勝。
ジャッキー・ロビンソンの勇気から大谷翔平の二刀流まで、歴史は選手たちの物語です。
ドジャースタジアムの青空の下、ファンの声援が響く限り、このチームの輝きは止まりません。
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