日本のプロ野球を語る上で、読売ジャイアンツ(巨人軍)は避けては通れない太陽のような存在です。
その歩みは、戦前の草創期から、全国のファンを熱狂させた「V9」という伝説の時代、そしてスーパースターたちがしのぎを削った平成、そして阿部慎之助監督のもとで新章へと突入した現在まで、常に日本球界の屋台骨であり続けてきました。
長嶋茂雄、王貞治といった不世出のヒーローたちが築いた土台の上に、松井秀喜や落合博満といった強打者たちが彩りを添え、現代へとそのバトンは受け継がれています。
本記事では、ジャイアンツが誇る壮大なレジェンドたちの時代と、直近20年間の激動の歩みを振り返ります。
「ON」が築いた黄金の礎:V9から平成の怪物まで
巨人の歴史を象徴するのは、やはり長嶋茂雄と王貞治の両雄による「ON砲」の時代です。
1965年から1973年まで続いた「V9(9年連続日本一)」は、今後どの球団も成し遂げられないであろう不滅の金字塔です。
華麗なサードの守備と勝負強い打撃で「ミスター」と呼ばれた長嶋、そして世界記録の868本塁打を放った「世界の王」。
この二人が投打の柱となり、日本中にジャイアンツブームを巻き起こしました。
その後、1990年代に入ると「ゴジラ」こと松井秀喜が登場します。
2002年に50本塁打を放ち、圧倒的な存在感でリーグ優勝・日本一をもたらした後にメジャーリーグへ挑戦した彼の姿は、多くのファンの胸に深く刻まれました。
また、史上初の三冠王3回を誇る落合博満が1994年にFA移籍で加入した際は、その圧倒的な打撃技術で「勝負の厳しさ」をチームに注入し、長嶋監督のもとで劇的な「10.8決戦」を制する立役者となりました。
近年20年の歩み:原政権の隆盛と阿部監督の継承
2000年代後半以降の巨人は、原辰徳監督の第2次政権によって再び黄金期を迎えます。
2007年からのリーグ3連覇、そして2012年の「5冠(交流戦、リーグ、CS、日本シリーズ、アジアシリーズ)」達成は、まさに盤石の強さでした。
この時期、捕手として扇の要を担い、打線でも「4番」を務めたのが現在の指揮官である阿部慎之助です。
彼の高い統率力と打撃力は、チームのアイデンティティそのものでした。
2010年代中盤には高橋由伸監督のもとでの世代交代という産みの苦しみも経験しましたが、2019年には再び原監督が復帰し、リーグ連覇を果たします。
そして2024年、球団創設90周年の節目に監督に就任した阿部慎之助氏は、自らの経験を活かした「守備と走塁の徹底」を掲げ、見事に就任1年目でセ・リーグ制覇を成し遂げました。
2025年、2026年シーズンも、かつてのレジェンドたちが持っていた「勝負への執念」を現代風にアップデートし、常に優勝争いの中心に位置しています。
歴史を彩る主な所属選手:時代を変えたスターたち
長嶋茂雄(内野手 / 元監督)
「ミスター・プロ野球」。
記録以上に記憶に残るプレーで、野球を日本の国民的娯楽へと押し上げた最大の功労者です。
王貞治(内野手)
一本足打法から放たれる世界記録のホームラン。
そのストイックな姿勢は、後に続くすべてのジャイアンツ戦士の模範となりました。
落合博満(内野手)
独自の打撃理論を持ち、FA制度導入直後の巨人に「個の強さ」と「勝負の哲学」を持ち込んだ唯一無二の天才打者です。
松井秀喜(外野手)
巨人の4番として、そして世界に羽ばたくスターとして、常に品格と実力を兼ね備えた、
平成のジャイアンツを象徴する長距離砲です。
坂本勇人(内野手 / 現所属)
高卒2年目からレギュラーを掴み、遊撃手として通算2000安打を達成。
長きにわたりチームの精神的支柱としてグラウンドに立ち続けています。
岡本和真(内野手 / 現所属)
松井秀喜氏以来となる「巨人の生え抜き4番」として定着。
毎年のように30本塁打をクリアし、阿部監督のもとで「勝てる4番」へと進化を遂げました。
まとめ:100周年に向かう「伝統と革新」
読売ジャイアンツの歴史は、常に最高を目指す者の苦悩と歓喜の歴史です。
王・長嶋時代の圧倒的な権威、松井・落合時代の力強い攻勢、そして阿部監督による緻密な現代野球へと、形を変えながらも「勝たねばならない」という宿命だけは変わらずに受け継がれています。
現在、若手の門脇誠や山崎伊織といった新しい力が台頭し、伝統の重みを力に変えて戦う姿は、100周年という未来へ向けてさらなる輝きを放っています。
オレンジのタオルが舞う東京ドームの光景は、これからも日本の野球文化の象徴であり続けるでしょう。













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