アリゾナ・ダイヤモンドバックスの外野手、コービン・キャロルは俊足と広角に長打を打ち分ける勝負強さを兼ね備えた選手です。
2019年ドラフト1巡目で指名されると、わずか2年目の2023年に新人王とチームの22年ぶりのワールドシリーズ進出を同時に手繰り寄せました。
小柄な体格ながら盗塁と長打を高い次元で両立させるスタイルは、球界でも異彩を放っています。
レイクサイド高校からドラフト1巡目へ
キャロルは2000年8月21日、ワシントン州シアトルでアイルランド系の父ブラントと台湾出身の母ペイリンの間に生まれました。
名門レイクサイド校では高校時代に一度も試合を欠場せず、最終学年にはワシントン州年間最優秀選手に選ばれています。
ただ身長5フィート10インチ、体重165ポンドという体格から、パワーの持続性を不安視した多くの球団が指名を見送りました。
それでもダイヤモンドバックスは2019年ドラフトで全体16位という1巡目の指名権をキャロルに使っています。
マイナー時代の肩の手術とメジャーデビュー
2021年、傘下のヒルズボロでプレー中にホームランを放った際の一振りで右肩を痛め、シーズンを終える手術を受けました。
そこから約1年の療養を経て2022年に3つのマイナー球団でプレーし、362打数で打率3割7厘、24本塁打という成績を残すと、同年8月29日にメジャーデビューを果たしています。
まだ大きな実績がない中で、球団は2023年3月にキャロルと8年1億1100万ドルの契約延長を結びました。
メジャーでの出場試合数が32試合にとどまる段階での大型契約は、当時異例の規模として話題を集めています。
2023年:新人王とワールドシリーズ進出
契約延長への期待に応えるように、キャロルは開幕直後から打率3割9厘、出塁率9割超のOPSで4月を終え、以降も勢いを落としませんでした。
シーズンを通じて打率2割8分5厘、25本塁打、54盗塁、10三塁打を記録し、新人史上初となる20本塁打50盗塁の「20-50クラブ」入りを果たしています。
この活躍で満票のナ・リーグ新人王に選ばれ、ダイヤモンドバックス史上初の新人王受賞者となりました。
ポストシーズンでも存在感を発揮しています。ワイルドカードシリーズのブリュワーズ戦では3点ビハインドの場面で2点本塁打を放って流れを引き寄せ、続く地区シリーズのドジャース戦ではスイープに貢献してOPS8割超えの活躍を見せました。
リーグ優勝決定シリーズのフィリーズ戦では第6戦まで打率2割2分と苦しみましたが、進出をかけた第7戦で4打数3安打2打点2盗塁という値千金の一戦を演じ、22年ぶりとなるチームのワールドシリーズ進出に導いています。
ワールドシリーズではレンジャーズと対戦し5戦で敗れましたが、キャロル自身は初戦で三塁打を放つなど4打点を記録しました。
2024年:スランプとの戦いと後半の巻き返し
新人王に輝いた翌年、キャロルは開幕から極端な不振に見舞われます。
4月は打率1割9分台に沈み、その背景には前年6月に痛めた右肩の状態が影響していたと見られていました。
5月末までスイングの見直しを重ね、体の開きを抑える調整を続けた結果、8月には月間打率3割超、OPS1割超という水準まで持ち直し、ナ・リーグの月間最優秀選手にも選ばれています。
最終的にシーズン158試合に出場し、防御ライン近くまで落ち込んだ前半から立て直した形で終えました。
この年の経験は、体格的なハンデを抱えながらも高いレベルで戦い続けるための転機になったと言えます。
2025年:自己ベストシーズンとシルバースラッガー初受賞
2025年は打率2割5分9厘ながら自己ベストとなる31本塁打、84打点、32盗塁を記録し、2年連続でリーグ最多の三塁打を放ちました。
9月21日には自身30個目の盗塁を記録し、球団史上初めて「30-30クラブ」入りを果たしています。
この活躍でキャリア初のシルバースラッガー賞を受賞し、ナ・リーグMVP投票でも7位に入りました。
もっともチーム成績は80勝82敗にとどまり、2年連続でのポストシーズン進出は逃しています。
2026年:台湾代表の誘いとWBC離脱、そして球団記録更新
台湾にルーツを持つキャロルのもとには、2026年のワールド・ベースボール・クラシックに向けて中華職業棒球大聯盟(CPBL)のコミッショナーを通じて台湾代表からの誘いが届いていました。
キャロルはこれを固辞し、アメリカ代表入りを目指す意向を伝えています。
2025年11月、実際にチームUSAはキャロルの代表入りを発表し、本人も「迷いはなかった」と喜びを語りました。
しかし2026年2月11日、スプリングトレーニングのフリー打撃中に右手有鉤骨を骨折し、手術が必要と判明したことでWBC出場を断念しています。
開幕には間に合わせたい考えを示し、実際に開幕戦のスタメンに名を連ねました。
骨折の影響で長打力の戻りには時間がかかると見られていましたが、シーズンが進むにつれて本来の勝負強さを取り戻しています。
6月には自身10本目となる三塁打を放ち、通算53本の三塁打でスティーブン・ドリューが持っていた球団記録を更新しました。
わずか566試合での達成は、従来の記録保持者よりも200試合以上早いペースです。7月時点でもリーグ屈指の三塁打数を誇り、2年連続のオールスター選出も決めています。
プロフィール
| 生年月日 | 2000年8月21日 25歳 |
|---|---|
| 身長 | 178cm |
| 体重 | 75kg |
| 国籍 | アメリカ合衆国 |
| 投打 | 左投左打 |
| ポジション | 外野手(右翼手) |





















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