現代のプロ野球界において、投打の「二刀流」という常識を覆すキャリアを歩み続けている大谷翔平選手。
高校卒業後の日本ハムファイターズ入団から、メジャーリーグ(MLB)での歴史的な快挙、そしてドジャースでの新たな黄金時代まで、その歩みは常に「不可能を可能にする」挑戦の連続でした。
本記事では、大谷翔平選手のこれまでのキャリアを、日本時代から最新の2025年シーズンまでの功績を含めて詳細に振り返ります。
日本ハム時代:二刀流伝説の幕開け
大谷翔平選手のプロキャリアは、2013年に北海道日本ハムファイターズに入団したことから始まりました。
高校時代から「160km/h」を計測し、当初はメジャー挑戦を公言していましたが、栗山英樹監督(当時)の熱意ある勧誘と「二刀流」という育成プランに惹かれ、日本でのキャリアをスタートさせました。
2014年: プロ2年目にして、日本プロ野球史上初となる「2桁勝利・2桁本塁打(11勝・10本塁打)」を達成。
2016年: 自己最速(当時)の165km/hを記録し、投手として10勝、打者として22本塁打を記録。
チームを日本一に導き、自身もリーグMVPに輝きました。
この頃には、日本国内のみならず、メジャーのスカウトたちからも「リアル二刀流」の完成度が高く評価されるようになりました。
エンゼルスでの挑戦:全米に衝撃を与えた二刀流の完成
2017年オフ、ポスティングシステムを利用してロサンゼルス・エンゼルスへ移籍。
メジャーの舞台でも「二刀流」を継続できるのかという懐疑的な声を、大谷選手は実力で黙らせました。
新人王から苦難の時期
2018年、投手として4勝、打者として22本塁打を放ち、ア・リーグ新人王を受賞。
しかし、その後に右肘のトミー・ジョン手術を受け、リハビリや故障に苦しむ数年間を過ごしました。
MVP獲得と歴史の塗り替え
2021年、心身ともに万全となった大谷選手は、打者として46本塁打、投手として9勝を挙げ、自身初のア・リーグMVPを全会一致で受賞しました。
さらに2023年には、日本人初の本塁打王(44本)に輝くとともに、メジャー史上初となる「2度目の全会一致MVP」という、前人未踏の領域に到達しました。
ドジャースへの移籍と「50-50」の金字塔
2024年、大谷選手はロサンゼルス・ドジャースと10年7億ドルというプロスポーツ史上最高額の契約を結びました。
右肘手術の影響でこのシーズンは指名打者に専念しましたが、その攻撃力が爆発します。
史上初の「50本塁打・50盗塁」を2024年9月19日、マイアミでのマーリンズ戦で達成しました。
大谷選手は3打席連続本塁打を含む6安打10打点2盗塁という驚異的なパフォーマンスを見せ、MLB史上初となる「50本塁打・50盗塁(50-50)」を達成しました。
最終的には54本塁打、59盗塁まで数字を伸ばし、チームをワールドシリーズ制覇へ導きました。
2025年シーズン:連覇への貢献と二刀流の復活
2025年シーズン、大谷選手は再びマウンドへと戻り、「投手・大谷」としての姿をファンの前に披露しました。
二刀流の再稼働: 手術から復帰したマウンドでも安定した投球を見せ、打者としても変わらぬ破壊力を維持。
ナ・リーグMVP争いの中心に居続けました。
ワールドシリーズ連覇: ドジャースの中心選手として、2年連続のワールドチャンピオンという偉業に大きく貢献しました。
自身もナ・リーグMVP(2年連続、通算4度目)を受賞し、名実ともにメジャーの顔としての地位を盤石なものにしています。
大谷翔平選手の主な獲得タイトル・記録(MLB)
| タイトル・記録 | 達成年 |
| シーズンMVP | 2021, 2023, 2024, 2025 |
| 本塁打王 | 2023, 2024 |
| 打点王 | 2024 |
| 新人王 | 2018 |
| シルバースラッガー賞 | 2021, 2023, 2024, 2025 |
| ワールドシリーズ優勝 | 2024, 2025 |
最後に
大谷翔平選手のキャリアは、単なる成績の積み上げではなく、「野球というスポーツの可能性」を広げる旅路でもあります。
日本が産んだ天才は、今や世界のスポーツ史に名を刻むレジェンドとなりました。
2025年の活躍を経て、次なる目標である「投手としてのサイ・ヤング賞」や、さらなる本塁打記録の更新に期待がかかります。











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