セントルイス・カージナルスの歴史と主な所属選手

 

セントルイス・カージナルスは、MLBでもっとも成功を収めた球団の一つであり、その歴史は情熱と伝統に満ちています。

1882年の創設以来、11回のワールドシリーズ優勝を誇り、スタン・ミュージアルやボブ・ギブソン、オジー・スミスといった名選手たちがファンを魅了してきました。

ミズーリ州セントルイスを本拠地に、ブッシュ・スタジアムで繰り広げられるカージナルスの物語を、歴史と主要選手を中心に紹介します。

創設と初期の歴史

セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)は、1882年にアメリカン・アソシエーション(AA)で「セントルイス・ブラウンストッキングス」として創設されました。

1892年にナショナルリーグ(NL)に移籍し、1900年に現在の「カージナルス」の名称に変更。

球団名は、赤いユニフォームにちなむ「カージナル(紅雀)」に由来します。ホームスタジアムは、2006年から使用されているブッシュ・スタジアム(3代目)で、ファンからは「カージナル・ネーション」として親しまれています。

初期の成功は1926年、初のワールドシリーズ優勝で幕を開けます。

 

 

ロジャース・ホーンスビー選手兼監督の活躍で、ニューヨーク・ヤンキースを破りました。

この時期、チームは「ガスハウス・ギャング」と呼ばれる攻撃的で個性的なスタイルで知られ、1930年代にディジー・ディーンやジョー・メドウィックが活躍。

1931年と1934年にもワールドシリーズを制し、黄金時代を築きました。

黄金時代(1940年代~1960年代)

1940年代は、カージナルスの歴史でも特に輝かしい時期です。

スタン・ミュージアルが1941年にデビューし、打率.357を記録。1942年、1944年、1946年にワールドシリーズ優勝を果たし、ミュージアルは「ザ・マン」として球団の象徴に。

1944年には、同じセントルイスを本拠地とするアメリカンリーグのブラウンズ(現ボルチモア・オリオールズ)との「ストリートカー・シリーズ」を制しました。

 

 

1960年代には、ボブ・ギブソンの投手としての圧倒的な存在感が光ります。

1964年と1967年にワールドシリーズを制し、ギブソンは1968年に防御率1.12という驚異的な記録を残しました。

この年、ルー・ブロックの俊足と盗塁、カート・フラッドの守備もチームを支え、NLの強豪として君臨しました。

1980年代の「ホワイトボール」時代

1980年代、ホワイティ・ハーゾグ監督の下、カージナルスは「ホワイトボール」と呼ばれる機動力重視の野球で成功を収めました。

オジー・スミス、ウィリー・マギー、ビンス・コールマンらが活躍し、1982年にワールドシリーズ優勝。

 

 

1985年と1987年もワールドシリーズに進出しましたが、それぞれカンザスシティ・ロイヤルズとミネソタ・ツインズに敗れました。

特に1985年のシリーズは、審判の誤審(ドンク・デンキンジャーのコール)が話題となりました。

オジー・スミスは「ウィザード」と呼ばれ、遊撃手として13回のゴールドグラブ賞を受賞しました。

2000年代~2010年代の再興

1996年にトニー・ラルーサ監督が就任すると、カージナルスは再び強豪に返り咲きます。

2000年代には、アルバート・プホルスが「ザ・マシン」として君臨。

2001年に新人王、2005年と2008年にMVPを受賞し、チームを牽引しました。

2006年にはワールドシリーズでデトロイト・タイガースを破り、10回目の優勝。

 

 

2011年には、ラルーサ最後のシーズンに劇的な逆転でテキサス・レンジャーズを破り、11回目のワールドシリーズ制覇を達成。

デビッド・フリーズの劇的なサヨナラ本塁打は、ファンの記憶に残る瞬間です。

2010年代後半は、ヤディアー・モリーナの強肩とリーダーシップがチームを支えました。

2013年にはワールドシリーズ進出を果たすも、ボストン・レッドソックスに敗北。

2020年代も、ポール・ゴールドシュミットやノーラン・アレナドといったスター選手が活躍し、チームはプレーオフ常連として安定した成績を残しています。

最近の動向

2024年、カージナルスはナショナルリーグ中地区で奮闘し、プレーオフ進出を果たしました。

オリバー・マーモル監督の下、若手選手の成長とベテランの経験が融合。

ポール・ゴールドシュミットは依然として打線の中心であり、ウィルソン・コントレラスやブレンダン・ドノバンらが台頭。

投手陣では、ソニー・グレイがエースとして安定した活躍を見せました。

2025年は、さらなる若手の発掘とワールドシリーズ奪還を目指します。

主な所属選手

カージナルスの歴史を彩った名選手たちを紹介します。

スタン・ミュージアル(1941年~1963年)

通算3630安打、打率.331、475本塁打。3度のMVPと7度の首位打者を獲得し、殿堂入り。

カージナルスの象徴として愛されています。

ボブ・ギブソン(1959年~1975年)

1968年に防御率1.12、サイ・ヤング賞を獲得。

通算251勝、ワールドシリーズMVPを2回受賞した伝説の投手。

オジー・スミス(1982年~1996年)

守備の魔術師として知られ、ゴールドグラブ賞13回。

1982年のワールドシリーズ優勝に貢献し、殿堂入り。

 

 

アルバート・プホルス(2001年~2011年、2022年)

通算703本塁打。

2006年と2011年のワールドシリーズ優勝の立役者。

2022年にカージナルスに復帰し、感動的な引退シーズンを迎えました。

 

 

ヤディアー・モリーナ(2004年~2022年)

強肩の捕手として9回のゴールドグラブ賞を受賞。

チームのリーダーとして2011年の優勝に大きく貢献。

 

 

ポール・ゴールドシュミット(2019年~)

2022年にMVPを受賞。

安定した打撃と守備で、2020年代のチームを牽引。

 

 

日本人選手

田口壮(2002年~2007年)が在籍し、2006年のワールドシリーズ優勝に貢献。

内外野を守れるユーティリティープレーヤーとして活躍しました。

 

 

その他の注目選手

他にも、1930年代のディジー・ディーン、1960年代のルー・ブロック、2000年代のクリス・カーペンターやアダム・ウェインライトがチームの歴史を彩りました。

ウェインライトは2023年まで活躍し、通算200勝を達成。

ファンに愛される選手です。

 

 

まとめ

セントルイス・カージナルスは、130年以上の歴史を持ち、11回のワールドシリーズ優勝と数々の名選手を輩出したMLBの名門です。

スタン・ミュージアルの時代から、アルバート・プホルス、ヤディアー・モリーナ、そして現在のポール・ゴールドシュミットまで、伝統は受け継がれています。

ブッシュ・スタジアムに響くファンの声援と共に、カージナルスはこれからも「カージナル・ネーション」の誇りを胸に戦い続けます。

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