お子様が少年野球を始める際、あるいは上達に合わせて新しい道具を検討する際、最も頭を悩ませるのが「バット選び」ではないでしょうか。
スポーツ用品店には多種多様なモデルが並び、価格帯も幅広いため、何を基準に選べば良いのか迷ってしまうのは当然のことです。
バット選びで最も大切なのは、単に「飛ぶ」ことではなく、お子様の体力や身体の大きさに「適合している」ことです。
身体に合わないバットを使い続けると、正しいスイングフォームが身につかないばかりか、関節を痛めるなどの怪我の原因にもなりかねません。
本稿では、長さや重さの目安、素材による違いなど、最適な一本を見つけるためのポイントを詳しく解説します。
最適な「長さ」を見極める基準
バット選びの第一歩は長さを決めることです。長すぎると操作性が悪くなり、短すぎると外角の球に届きにくくなります。
一般的には、以下の2つの方法で目安を確認するのが効果的です。
腕の長さから算出する方法
お子様が直立した状態で、腕を横に真っ直ぐ伸ばします。その際の「肩の付け根から指先までの長さ」を計測してください。
その数値に 1.3を掛けた長さが、理想的なバットの長さだと言われています。
L = ℓ×1.3
(L:バットの長さ、ℓ:肩から指先までの長さ)
股下や腰の位置で確認する方法
バットを地面に垂直に立ててお子様の隣に置きます。
バットの先端が「腰の骨(骨盤のあたり)」と同じくらいの高さであれば、扱いやすい長さであると判断できます。
学年別の一般的な目安
- 小学1〜2年生: 60cm 〜 70cm
- 小学3〜4年生: 70cm 〜 75cm
- 小学5〜6年生: 75cm 〜 80cm
※あくまで目安ですので、成長の早いお子様の場合はワンサイズ上を検討することもあります。
スイングを崩さない「重さ」の選び方
長さの次に重要なのが重さです。
飛距離を求めて重いバットを選びたくなりますが、少年野球においては「自分の力で最後までしっかり振り切れるか」が最優先されます。
重すぎるバットのリスク
重すぎるものを使うと、バットの重さに振り回されてしまい、ヘッドが下がった「ドアスイング」になりやすくなります。
また、ミートポイントが後ろに下がり、振り遅れの原因にもなります。
適正重量のチェック方法
実際にバットを持ち、片手で水平に20秒ほど保持できるか確認してみましょう。
また、10回連続で素振りをした際に、軸がぶれたり、振り終わった後にふらついたりしないものが適正な重量です。
- 低学年:400g 〜 500g前後
- 高学年:500g 〜 600g前後
※最近はカーボン素材の進化により、軽くても反発力の強いバットも増えています。
素材の違いとそれぞれのメリット
バットの素材は、打感や飛距離、そして価格に直結します。
金属製(アルミ合金)
最も一般的で耐久性に優れています。
ボールを打った時の「カキーン」という爽快な打球音が特徴です。
自分の力で打つ感覚が養われやすく、初心者の最初の一本として非常におすすめです。
カーボン・コンポジット製
炭素繊維などを使用した軽量で高反発な素材です。
芯が広く、多少芯を外しても飛距離が出やすい傾向にあります。
ウレタン貼付型(高機能バット)
「ビヨンドマックス」などに代表される、打球部にウレタン素材を巻いたモデルです。
少年野球界では非常に人気があり、ボールの変形を抑えることで圧倒的な飛距離を生み出します。
一方で、価格が高価であることや、素材の特性上「バットに当てれば飛んでしまう」ため、技術向上の妨げになると考える指導者も一部います。
バランス(重心の位置)による性格の違い
バットのどこに重心があるかで、振り抜きやすさが大きく変わります。
- トップバランス: 重心が先端にあります。遠心力を利用して長打を狙う「スラッガータイプ」向けですが、操作は難しくなります。
- ミドルバランス: 重心が中間付近にあります。最も扱いやすく、多くのお子様に推奨される「オールラウンダータイプ」です。
- カウンターバランス: 重心が手元寄りにあります。バットが軽く感じられ、バットコントロールを重視する「アベレージヒッター」に向いています。
まとめ:お子様の「今の力」を信じて選ぶ
バット選びで陥りがちな失敗は、「すぐに身長が伸びるから」と大きめのサイズを購入してしまうことです。
しかし、重すぎるバットは正しいスイングフォームを壊し、野球の楽しさを損なう恐れがあります。
理想的なのは、お子様が「これなら振りやすい!」と笑顔で素振りができる一本を見つけることです。
まずはスポーツ用品店で実際に手に取り、いくつかの重さを試してみてください。
お子様の体格と現在の筋力にピッタリ合う「相棒」が見つかれば、ヒットを打つ喜びも格別なものになるはずです。













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