野球を始める際、バットと並んで最も重要な相棒となるのが「グローブ」です。
スポーツショップの壁一面に並ぶ色とりどりのグローブを前に、「どれを選べば正解なのか分からない」と途方に暮れてしまう初心者の方や保護者の方は少なくありません。
グローブ選びで最も大切な視点は、高価なものを選ぶことではなく、「自分の手の大きさに合っているか」そして「すぐにボールを掴める柔らかさがあるか」の2点に集約されます。
サイズが合わないものを使うと、捕球が上手くいかないだけでなく、捕球時の衝撃で手を痛めたり、変な癖がついてしまったりすることもあります。
本稿では、初心者の方が失敗しないためのグローブの選び方と、サイズの目安について詳しく解説します。
「硬式用」と「軟式用」の違いを理解する
まず最初に確認すべきなのは、自分が「どの種類のボール」を使ってプレーするかという点です。
グローブには大きく分けて「硬式用」と「軟式用」の2種類が存在します。
- 軟式用グローブ: ゴム製の軟式ボールを捕るために設計されています。革が比較的柔らかく、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
- 硬式用グローブ: 非常に硬く重い硬式ボールの衝撃に耐えるよう、厚く頑丈な革で作られています。その分、価格も高価(軟式用の2〜3倍程度)で、使い始める前にしっかりと型を付ける必要があります。
初心者が草野球や少年野球から始める場合は、まずは「軟式用」を選びましょう。
また、未就学児や小学校低学年のレクリエーション目的であれば、より安価で軽量な「レジャー用(合皮製)」も選択肢に入ります。
正しいサイズの目安と測り方
グローブのサイズ選びは、手の大きさに合わせるのが基本です。
大きすぎるグローブは操作性が悪く、逆に小さすぎると手が入りきらず、捕球スポットがずれてしまいます。
手の大きさの測り方
「手首の付け根(一番上のシワ)」から「中指の先」までの長さを計測してください。
この数値がグローブ選びの基準となります。
年齢・学年別のサイズ目安(少年野球用)
少年野球用のグローブは、メーカーによって「S・M・L」などの表記や、「身長」を基準にした目安が設定されています。
- 未就学児〜小学1年生(身長120cm以下): 18cm〜20cm程度の非常に小さなモデル。
- 小学2〜4年生(身長120〜145cm): 22cm〜24cm前後の中型モデル。
- 小学5〜6年生(身長145cm以上): 26cm以上の大人に近いサイズ。
店舗で試着する際は、手を入れた時に「指先がグローブの指袋の奥まで届いているか」を確認してください。
また、手首のベルトを締めた状態で、グローブの中で手が遊ばないものを選びましょう。
「オールラウンド用」が初心者には最適
プロ野球選手のように「内野手用」「外野手用」「投手用」とポジションごとに細分化されたモデルがありますが、初心者が最初に購入すべきなのは、ずばり「オールラウンド用」です。
野球を始めたばかりの頃は、自分がどのポジションを守るか決まっていないことがほとんどです。
オールラウンド用は、捕球面の広さや指の長さが標準的に設計されており、どのポジションでも無理なく対応できるように作られています。
特定のポジションに特化したグローブ(特にキャッチャーミットやファーストミット)は操作が難しいため、最初の一本としては避けるのが賢明です。
素材と「柔らかさ」のチェック
初心者が最も陥りやすい失敗は、「硬すぎる革」のグローブを買ってしまうことです。
- 本革(天然皮革): 耐久性が高く、使えば使うほど自分の手に馴染みますが、新品の状態では硬くてボールを掴むことができません。
- 人工皮革(合成皮革): 安価で非常に軽く、最初から柔らかいためすぐに使えますが、耐久性は低めです。
最近では本革製でも「即戦力」や「スチーム加工済み」として、購入したその日から試合で使えるほど柔らかく加工されたモデルが多数販売されています。
店頭で実際にグローブをはめてみて、自分の握力で「親指と薬指がくっつくくらい」までスムーズに閉じることができるかを確認しましょう。
握力の弱いお子様の場合、この「閉じやすさ」が上達のスピードを左右します。
まとめ:自分の手に馴染む「相棒」を見つけよう
グローブは野球において、自分の身体の一部となる道具です。
スペックやブランドだけで判断するのではなく、実際に手を通した時のフィット感と、自分の力でコントロールできる「重さと柔らかさ」を重視して選んでください。
お気に入りのデザインで、かつ自分の手にピッタリ合うグローブが見つかれば、ボールを捕るのがもっと楽しくなり、練習への意欲も自然と高まるはずです。
まずはオールラウンド用の柔らかいモデルを手に取り、キャッチボールから野球の楽しさを体感してみてください。













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