岩手県盛岡市出身の左腕投手、菊池雄星選手は、高校時代から注目を集め、日本プロ野球(NPB)を経てメジャーリーグ(MLB)で活躍する日本人投手の一人です。
花巻東高校のエースとして甲子園を沸かせ、プロ入り後も着実に成長を遂げ、2025年現在、ロサンゼルス・エンゼルスでプレーしています。
日米通算で多くの勝利と奪三振を積み重ね、国際舞台への意欲も示す彼のキャリアを振り返ります。
高校時代:怪物左腕の誕生
菊池雄星選手は1991年6月17日、岩手県盛岡市に生まれました。
小学校3年生から野球を始め、中学時代は盛岡東シニアで活躍。
花巻東高校に進学すると、すぐに頭角を現します。
2009年春の第81回選抜高等学校野球大会(センバツ)に出場。
初戦で最速152km/hを記録し、2試合連続完封勝利を挙げ、準決勝まで進出しました。
夏の甲子園ではベスト4に貢献し、「一生野球ができなくなってもいい」との覚悟で投げ抜く姿が話題となりました。
高校通算では驚異的な成績を残し、プロスカウトから高い評価を受けました。
ドラフト前にはMLB球団からも注目され、直接メジャー挑戦の可能性も報じられましたが、最終的に日本プロ野球を選びました。
NPB時代:西武ライオンズでの成長と頂点
2009年のドラフトで、埼玉西武ライオンズ、阪神タイガースなど6球団が1位指名。
抽選の末、西武が交渉権を獲得し、入団しました。
契約金1億円プラス出来高、年俸1500万円(推定)で背番号17を背負います。
プロ1年目は左肩痛でほとんど登板できず、リハビリに専念。
フォーム改造なども行いましたが、2013年に9勝を挙げて先発として台頭します。
2016年には初の開幕投手を務め、2桁勝利を達成。
2017年はキャリアハイの16勝(リーグ最多)、防御率1.97(リーグ1位)で最優秀防御率と最多勝利の2冠に輝き、ベストナイン、ゴールデングラブ賞も受賞しました。
2018年も安定した活躍を見せました。
西武時代通算では73勝をマーク。
2018年オフにポスティングシステムを利用し、MLB挑戦を表明します。
MLB移籍:シアトル・マリナーズでのデビュー
2019年、シアトル・マリナーズと4年契約を結び、メジャーデビュー。
開幕シリーズの東京ドームで初登板を果たしました。
初年度は6勝を挙げ、適応の難しさを感じつつも可能性を示します。
2020年以降もローテーションを守り、2021年にはオールスター選出。
マリナーズでは通算で安定した投球を続けました。
ブルージェイズとアストロズ時代:移籍と復調
2022年にトロント・ブルージェイズへトレード移籍。
2023年にはキャリアハイの11勝、規定投球回到達で防御率3点台を記録し、日米通算100勝を達成します。
2024年シーズン途中でヒューストン・アストロズへトレード。
アストロズでは10先発で5勝1敗、防御率2.70とエリート級の活躍。
キャリア初の200奪三振超え(206奪三振、リーグ5位)を記録し、チームのプレーオフ進出に貢献しました。
エンゼルス時代:新天地での挑戦
2024年オフ、フリーエージェントとなり、ロサンゼルス・エンゼルスと3年総額6300万ドル(約95億円)の契約を結びます。
2025年は開幕投手を務め、シーズンでは7勝11敗、防御率3.99、174奪三振を記録。
2年連続オールスター選出を果たしました。
一時左前腕のけいれんなどで降板する場面もありましたが、ローテーションを守り続けました。
2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場に強い意欲を示しており、花巻東の後輩・大谷翔平選手との共演が実現すれば注目されます。
また、地元岩手県花巻市に野球施設「King of the Hill」を設立し、後進育成にも力を入れています。
最後に
菊池選手のキャリアは、怪我を乗り越え、着実な努力で頂点を極め続ける物語です。
左腕最速記録保持者として、日米で1011奪三振(MLB)を積み重ね、さらなる活躍が期待されます。











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